浴場の創設は江戸時代と伝えられ、上の田の湯、川の湯、野田ノ湯とも呼ばれており村人に親しまれた温泉として伝えられています。また当時の温泉周辺は田んぼばかりで畦みちを通ってかなり遠くからでも1日の疲れを癒すためにたくさんの人々が訪れ、「畦なしの湯」とも呼ばれていました。その後、田の湯温泉と呼ばれるようになり、「そのかみは田んぼの中にありしといふ田の湯の名まへよろしかりけり(中略)派手ならぬ田の湯の付近親しきよ温泉の場気分は此所にただよう」 と詠じられていることからも田の湯温泉の素朴さがうかがえます。 (2022.5)