元宮磨崖仏は、富貴寺と真木大堂をつなぐ道沿いにあります。八幡宮境内のはずれの岩壁に半肉彫りで刻まれており、室町時代後期の作と伝えられています。向かって右から毘沙門天(多聞天)、コンガラ童子、不動明王、持国天、地蔵菩薩がそれぞれ刻まれており、その堂々たる姿に圧倒されます。不動明王の脇侍であり、かつて刻まれていたと思われるセイタカ童子は完全にその姿を失っており、非常に残念です。これらは熊野磨崖仏とともに国史跡となっており、現在は覆屋が建てられ貴重な文化財の保護への取り組みがなされています。また八幡宮は、地域の人々に「元宮さま」と親しまれ、磨崖仏とともに大切にされています。 近くには熊野磨崖仏、鍋山磨崖仏、大門坊磨崖仏など、多くの磨崖仏や仏像が残されているので、国東半島へ石像巡りへ訪れてみてはいかがですか?