今からおよそ9万年前、阿蘇火山(現在の阿蘇カルデラ)がとてつもない規模の巨大噴火を起こしました。発生した火砕流は九州の大半を覆い尽くし、遠くは本州の山口県に到達するほどのものでした。火砕流はやがて冷えて固まり、豊後大野の大地を作り上げました。 火砕流に埋め尽くされた大地には、再び川が流れ滝ができ、壁には磨崖仏が彫られました。深い谷を渡るために、アーチ型の石橋が架けられ、川に削り残された台地は「原(はる)」と呼ばれ、農耕の場となりました。 阿蘇火砕流により、豊後大野には豊かな自然の恵みがもたらされ、また、火砕流による困難を克服する人々の知恵が現在の豊後大野の文化を育んできたのです。 市の中央を九州屈指の大野川が流れ、周囲をくじゅう連山、阿蘇山、祖母・傾山系に囲まれた緑豊かな豊後大野市は、平成25年9月、市全域が日本ジオパークに認定されました。