凝灰岩の自然石に、上半身はやや肉厚をつけてあらわし、下半身は線刻により刻みだすなど技法的な変化をもたせています。両貌は両目を吊りあげ両口端があがった古拙の笑みをたたえ、頚部は短く、両肩が張り、地方的要素が濃い磨崖仏です。また、裏面にも線刻された地蔵菩薩があります。表面は丁寧に刻まれていますが、裏面は粗い彫り出しです。一枚岩に線刻された仏像はめずらしく地域の人々の間で両目地蔵と広く信抑されています。左側に「永亨二(1430年)庚戌歳八月廿四日願主道恵 敬白」という銘文が陰刻されています。 【参考文献】:緒方町教育委員会 ●県指定有形文化財:昭和50年3月28日指定