浄土真宗本願寺派本願寺四日市別院(通称:西別院)は、江戸時代中頃、東本願寺末の真勝寺の騒動を機会に、延享3年(1746)に創建されました。安政6年(1859)に建てられた現在の本堂は、間口19間の大伽藍で、九州では最大の木造建築物と言われ、全国でも屈指の大伽藍です。 そのほか総会所、対面所、経蔵、山門、鐘楼、太鼓楼、茶所などもそろい、真宗別院の特徴を示す建物がよく残っている珍しい寺です。以前は、広く九州中からお参りの人が集まり「九州御坊」とも呼ばれていました。 最も大きな法要は、12月11日から16日まで(以前は9日から16日まで)の報恩講御引上会で、東西別院とも「お取り越し」と呼ばれ、境内には出店もならび、多くの参拝者でにぎわいます。大伽藍の東西本願寺の別院が甍を並べる地区は、全国的にも少なく、門前町の様子を今に伝えています。 (2021.3)