霊山の北麓、高瀬のやや西寄りに伽藍迫と呼ばれる所に、丘陵を形成する凝灰岩層に、高さ1.8m、幅4.4m、奥行1.5mの洞窟があります。その奥壁に馬頭観音坐像、如意輪観音坐像、胎蔵界大日如来坐像、大威徳明王坐像、深沙大将立像の5体石仏が東を向いて彫られています。高瀬石仏は、大日を中心として諸悪煩悩を取り除き、さらに如意輪には富貴財宝取得、大威徳には怨敵降伏、深沙大将には仏法保護などの祈願修法の対象として作られたもので、平安時代末期の12世紀中ごろの作と考えられています。七瀬川流域は、当時、稙田氏とされています。また石窟の外、向かって右の崖の小さな龕には一根三茎の蓮華座の上に阿弥陀三尊像を浮き彫りにしたものが残っています。(国指定史跡)