実相院は、夷(えびす)耶馬とも呼ばれる夷谷に挟まれた、霊仙寺と六所神社の間に位置しており、霊仙寺の支院であったと言われています。かつてこれらの敷地は一体となっており、神仏習合独特の名残が色濃く残されています。 本尊は不動明王像で、1783年に奉納されたものです。その表情は迫力に満ちていて、昔から夷不動として多くの信者に親しまれています。境内の鐘楼堂の横には「耳地蔵」と呼ばれる大小2体の石仏地蔵尊が立っていて、病気平癒祈願にたくさんの人々が訪れています。他にも南北朝前期1300年頃の作とされる、香々地町内で最大の総高4mの国東塔など多くの文化財が残されています。 また写経体験をすることができ、大分県習字の会長を務めた住職さんが丁寧に指導してくれます。六郷満山文化を知る上でも重要なお寺であり、また、中山仙境登山口の近くにあるので登山の際に立ち寄るのもいいかもしれません。